国公立の後期試験も終わり、次の一年を浪人として過ごさなくてはならないことが決まったとき、私は、この1年を人生の中で他の年と同じようにかけがえのない1年とすることができる予備校を探していました。ダイレクトメールに記されていた説明会に参加し、なぜだかわかりませんでしたが新しい輝きを感じ、自分の希望がかなうような予感がありました。
A塾に通うようになり、その希望がかなっていることを実感しました。講義は、少人数制であるため目が良く行き届き、理解できるまで説明を求め、受けることができます。そのため、講義の中で受講生は常に向上することを求められます。細かな受験のテクニックにこだわらず、問われている本質を伝えようという講師の姿勢も非常に私の知的好奇心を刺激してくれました。それにもまして、講師の知識レベルの高さ、能力の高さは、予備校という枠組を超えて、大学の講義に通じるものがありました。現に、大学で教鞭をとる講師もおられます。
熱心な講義とは対照的に、A塾は進路について指導らしい指導をしてくれません。それは、各自が自分で定めた目標に向かって努力することに意義を認めているからです。自分のやりたいことを考え、それを実現するための努力を重ねること、これがA塾で求められる自己責任です。悪い言い方をすれば自由放任とも言えますが、自分の道は自分で決めるのが人生の本質であり、その本質を逃さないのが実にA塾らしいと言えるでしょう。
このようなA塾で一年を過ごし、前期で失敗するという波乱はあったものの、後期で志望校に合格することができました。振り返ってみると、自分の希望以上の環境にA塾でめぐり合うことができ、大学で受ける知的刺激を1年早く受けることができたように思います。そして、A塾で学ぶことで、大学生活の意義を高めることができたと思います。
社会人となり、技術者となってから早4年。エレベータの技術者として充実した毎日を過ごしています。が、変化の激しい時代ですので、自分の足で人生を歩めるよう、自分の人生におけるミッションとは何かを常に考え、それを実現するための準備もしています。